FC2ブログ

【18歳未満閲覧禁止】神のみぞ知るセカイ-エルシィ(エロパロ)-バージョン:2011-09-07

このエロパロは2011/09/07午前7時1分以降に、Pixiv、【神のみぞ】若木民喜作品総合3【アルバ】http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289123540/で公開するものです。

アダルト文章です。18歳未満の閲覧を堅く禁じます。

続きを読む

スポンサーサイト



花咲くいろは-治郎丸さんのあの小説の自分なりの保管

18禁作品です


このSSはhttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1302543082/に
2011-05-22-8:15以降に公開するものです。

続きを読む

ある日の風景 2010/09/07

Pixivでの私の作品の転載です
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=47230

夏の残暑が残る暑い昼下がり、昼食を終えた春香は、少しおしゃれをして町に出かけた。
明日に春香は小学校時代の友人と遊ぶ約束をしていた。そこで髪を整えに近所の美容院へ出かけたのだ。春香がその美容院を訪れたのは実に久しぶりのことである。こうして自由な時間を取れるのも最近では難しい。アイドルの仕事が増えて美容院へいく暇もなくなった、髪を整えてくれるのはいつも専属の美容師さんだ。だから、近所の美容院へ髪を整えに行くのは実に数年ぶりのことなのである。そう思うと、自分が結構な年数アイドルをしてきていることに気づく。そして、小さい頃からずっとお世話になってきた、近所の美容院への小さな罪悪感も感じていた。

しかし、その時は春香の心のなかのそれは、本当に小さいものであった。

春香は美容院のドアを開ける。パーマ液の香りが、昔の記憶を海馬から呼び起こす。ああ、当時の記憶が一瞬にして頭を駆け抜けた。
「全ッ然変わってない」
美容院は、本当に何も変わっていなかった。と入っても数年前から通わなくなっただけである、その数年でそれほどの変容を遂げる事はあまりない、無いことはないのであるが、いや、しかし少しは変わってたっていい。しかし、あまりにも完璧に変わらないでいたものなので春香は驚いたのである。
美容院の店長、とはいっても一人の女性が切り盛りしているのであるが、その女性は忙しそうに常連客の髪を整えていた。整えながらこっちを見ずに、「いらっしゃい」といい、壁に設けられた服かけと、かばん掛けに身につけているものをかけろという、この一連の動作も変わっていない。
店長は忙しそうに手を動かす、春香はカバンをかけて、長いソファーに腰をかける。長くて大きいソファーには私一人しかいない。春香がアイドルを本格的に目指し初めて、この美容院に通えなくなった頃より前には、このソファーにはいつも数人にて、大きくて長い鏡の前に置かれた3つの美容椅子にはいつも3人が座っていて、4人いる店員がかわりばんこで忙しそうにお客さんの髪を整えていた。しかし、今、3つある美容椅子は1つしか使われておらず、店員も店長の女性しかいない。
「きっと、今日はすいているんだね。ラッキー」
なんて考えながら春香は、雑誌の置いてある本棚に手を伸ばす。小さい時から、待ち時間の間に個々の雑誌をいっぺんに目を通してしまうのが、ちょっとした楽しみであった。幼稚園生向けの本から、小学生向けの本など、個々の美容院の雑誌の品揃えの良さは、あらゆる年齢層に対応できるものだった。春香をいつもカットしてくれる美容院では、本当にマネキンのような綺麗な女性しか出てこない、大人向けのつまらない雑誌しか置いていないのである。幼稚園から高校の途中まで、春香はこの美容院へ通い続けた。小さい頃は髪を切られるのが本当に嫌で嫌で仕方なくって、行くたびに大泣きして家に帰った記憶がある。
 春香はおもむろに雑誌を取り読み出した。しかし、春香はその雑誌を一度読んだことがあるような気がしたので、表紙を見た。表紙には数カ月前の日付が書いてある。どうやらこの雑誌は数カ月前のものであるようだ。どうりで読んだことがある気がしたはずである。
「きっと、忙しくて買う暇がなかっただけだよ。」
春香はそう思った。しかし、楽しみにしていただけに少々残念であった。
静かな店内に、AMラジオが流れ、店長の手元からはハサミが髪を切る音が響く。外からは郵便配達のバイクの音、車の通りすぎる音がする。こうして、雑誌も読まずにぼおっとしていると、普段は耳につかないような音まで聞こえてくるのだ。豊かな時間が流れた。
そうしているうちに前の人のパーマがけが終わり、次は春香の番である。
「つぎのお客さんどう・・ぞ・」
店長の女性が初めて春香を見る。春香と久しぶりの対面だ、もちろん春香にとってもだ。
店長の顔に、驚きと喜びの色が差してくる、同時に時代を感じさせるシワをめいいっぱいに寄せて、目には涙を浮かべて春香に走り寄ってきた。
「春香ちゃん?春香ちゃんじゃないの!あら~懐かしい!」
店長は感無量と行った感じである。しかし、春香の心中にはなにかモヤモヤとしたものが、再開の喜びと共に顔を出したということも書いておこう。
ー店長さん、こんなに小さかったっけ?
数年とはいえ、成長期の春香である、身長が伸びて相対的に店長の身長が低くなったことぐらい春香にもわかる。しかし、何か身長だけでなく、それは物理的なものだけでなく、何か心の秤的にも店長さんは小さくなった気がした。
しかし、店長さんが喜んでいるのに、私が浮かない顔をするのは、何か気が引けて、春香は無理に顔に笑顔を浮かべた。それは何かとても心の何かを消費した。
正直、春香は単純に感動的な再開を予想していたのである。それは今の春香が感じている、足かせの付いた喜びではなかったはずだ。テレビで小説で見るような、ただ感動的でそれ以外の要素を持たない再開。シチュエーション的には、観賞用の綺麗な再開と殆ど変わらないはずである

、しかし、春香の再開の喜びを、春香の中に最近芽生えてきて、まだ幼いがとても人間的な感情がそれを邪魔しているのである。
「春香ちゃん聞いたわよ、あなたアイドルになったんですってね!」
しかし、店長さんは前と変わらない饒舌である。春香はその衰えていない饒舌ぶりと、その顔に浮かんだ混じりけのない笑顔を見て少し安心した。私が感じたあの感情はもしかしたら気のせいなのかもしれないと、そこで春香は一時的に思考を入れ替えることができたのである。
「ええ、あの、最近はラジオもやってるんで、よかったら聞いてください。」
春香は言った。
「あら、そうなの。」
店長の話は止まらない。春香の父、母の様子。春香について、もう恋愛はしたか、バイトは経験したのか、学校で今流行っていることは何か、アイドルとはどんな仕事か、プロデューサーという人はどんな人か。春香は質問攻めに会うことになる。質問攻めとはあまり良い言葉の選択ではないのかもしれない、なぜなら春香にとって、店長が昔と変わらぬ調子で話しかけてくれるのは、先に感じた不安を払拭しうる要因であったからである。春香は一つ一つ質問に笑顔で答えた。
ひとしきり、春香への質問が終われば、今度は店長の身辺ばなしの番である。近所のじいさんが飼っていた犬が死んだこと、ここの常連で春香も知っている女性が先月結婚したこと、春香の質問にかかった時間を1とすれば、最終的にこの店長が話していた時間は6ほどである。本当にしゃべるのがだいすきな女性なのである。
話しながら、店長は春香の髪を整えていく。
「すごいねえ、春香ちゃん。この髪、いつもは誰が切っているんだい?」
「え、あ、あの専属の美容院の人がいて・・・」
「すごいねえ、髪の流れが活き活きとしている。おばさんじゃ、こうは切れないわ。若い人は面白いこと考えるんだねえ。おばさんは、もうこんな元気な切り方はできないねえ。」
「っええ、あ、あの、店長さんの切る髪も、と、とても元気です!」
春香は「元気な切り方」の意味が分からずに、無理に元気づけようとそういった。
「・・・アハハハ!春香ちゃん、別に私自身が元気がないって言ってるわけじゃないのよ。ただ、「俺の切る髪はこうだー!」的な独創的でエネルギッシュな切り方は出来ないなあって言っているだけよ。」
「え?」
「あ!春香ちゃん、もしかして久しぶりにきて私が年取ったとでも思ってたんでしょ。失礼ね~!アハハハハ。」
「え、ああ、あの、そんなこと思ってないです。」
「い~や、絶対思ってたでしょう!」
「思ってないです!」
そんなやりとりがしばらく続いた、いつのまにか春香の感じていたある種の心配は消えてなくなっていた。
「けどね。」
突然、店長が真剣な口調で口を開いた。
「昔、私は近くの美容院で働いてたのよ。その時の店長は男の人だったんだけど、当時の私から見たらなんて型はまりな切り方をするんだろうなんて思っていたのよ。そして、しばらくそこで働いてお金貯めて、この美容院を始めたわけ。初めてからは若いお客さんがたくさん入ってき

てね「やっぱり私の感じていたことは正しかった。あの店長は時代遅れの人なんだわ。」なんて思っていたのよ。けれど、確かにその店から私の店に移ってくる客層もあったのだけど、結局その店が主人が高齢になってたたむまで、こっちに来なかったお客さんもいたのね。よくよく考

えてみたら当然なのね。流行りの髪型にしたい女の子もいるだろうし、あまり派手な髪型にするのを嫌う女性もいる。うまいこと棲み分けが出来ているなあって。で、しばらくして気づいてみたら今度は私が「型はまりの切り方」をしていたのね。」
「そんな・・・店長さんは型はまりな人じゃありません。」
「ふふ、ありがとう。けどね春香ちゃん「型はまり」って必ずしも悪い意味の言葉じゃないのよ。お客さんに安定した切り方を提供できる。それを求めているお客さんもいるっていうことよ。」
「そうなんですか・・・」
「春香ちゃん、今は幸せ?」
「え、あ、はい、まあ。」
「こんな職業だから、私は今まで本当に色々な人と出会ったわね。若い頃には、それでも有名人が店に来たとか、有名店からお客を奪ってきたとか、表面的な出会いを誇りにして仕事をしていたような気がするわ。けど、お客さんの髪をじっとよく観察してみると、本当に色々なことが分かってくるんだと知ってから、お客さんと接すること自体が楽しくなってきたのね。」
「髪でどんなことがわかるんですか?」
「それはまた来た時におあずけね。さあ、お客さん髪が切り終わったので、シャンプーしますね、目をつぶっていてくださ~い。」
シャンプー中は春香も店長も終始無言であった。シャンプー中は水の音で会話ができないからである。しかし、店長さんのシャンプーは昔からとても上手だ。シャンプーというよりかは、頭のマッサージといったほうが的確かもしれないというほど、実に気持ちのいいものなのである。
やがて、シャンプーも終わり、春香たちはレジの方へ向かう。レジを打ちながら店長は言った。
「春香ちゃん、人の幸せって、時間が経つにつれて本当に変わっていくものなのよ。今、春香ちゃんが目指している幸せというものが将来は別の物に変わってたりすることもしばしばなのよ。けどね、若いうちはその時の幸せに向かってイノシシのように一生懸命に向かって行くぐらいで丁度いいのよ。アイドルのお仕事頑張ってね、またいつでもいらっしゃい、その時は話の続きをしましょう。」
春香は会釈をして、美容院を出る。とたんに日本特有の湿っぽい空気が春香を感傷的な世界から、現実へ引き戻した。

「あ~あ、専属の美容師さん以外の人に切ってもらちゃった。」

けど・・・一回くらい、いや、たまにはいいよね。

春香は古い友人との再開に胸を踊らせながら、駅に向かって歩き出した。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
あとがき
いや~久しぶりに新しいSSかけたぁ!w
最近ARMマイコンをいじってたのと教職の集中講義でなかなか書く暇なかったっすw
なぜこんなことを書くのかというと、シリーズ通して読んでくれている人は少ないと思うんですけど、更新がしばらく止まっていたので、三日坊主と思われたくないからです。
あと、トラ技の増刊号マジでおすすめです!

ある日の風景 2010/08/12

Pixivでの私の作品の転載です
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25812

 今日はジメジメとしているが、比較的気温は低くて過ごしやすい。陽気な熱帯から運ばれてきたエネルギが東京には心地いい程度の風を運んでくれる。嵐というものは程度を守れば、比較的快適なものだ。けれども、雨の日は憂鬱と社会から洗脳されている私は、それだけではないのかもしれない、低気圧のせいか気分は少々落ち込んでいた。
 今日はオフの日である。正確に言えば、本来ならば外でのライブのお仕事があったのだけれども、台風の接近で中止になった。昨日の夕飯時にプロデューサーからメールがあった。
 だから、今日はいつもより余計にベットにいた。特にすることも何もない。トレーニング用品は修理中で今手元にないし、こんなところで発声練習なんかすれば近所迷惑になる、春香、やよいにメールするかとも思ったが、要件が浮かんでこないし、どうせ直接言ってくることはないだろうけど、暇つぶしにメールしているとばれてしまうだろう。別にそこまで迷惑とは思わないだろうけども、なんか嫌だ。
 ベットに横たわりながら適当にテレビのチャンネルを回す。分かってはいたが、この時間帯のテレビは全く面白く無い、テレビの電源を落とすと、ようやくベットから抜け出し、しかしパジャマのままでPCの電源を入れる。狐のブラウザで適当に面白そうな記事を流し読みする、その時は一時的に楽しいだけれども、読むのが速い私はすぐに読み終わってしまう。おもむろに emacsを立ち上げ、五目並べでもしてみる。相手を先行にしないと、こっちは必勝法を知っているので面白くない、けれども相手は先行なのに三三が使える。途中まではいい流れだったのだが、相手が三三で成った時、何か馬鹿らしい感じがしてemacsを落とす。最後にRssで購読しているページのタイトルでも眺めてみる。芸能欄の片隅に私たちのユニット名が載っている。春香が泣いたあの日(※『ある日の風景 2010/08/06 』参照)から私たちは必死に頑張った。春香の涙を見たのはあれが最初で最後だ。口で言い争いになることは、それまでしばしばあったけれども涙は見せることはなかった。私は、なんだろう、春香の泣いている姿に、いや、これは自分でも本当に最低だと思うのだが・・・可愛いと思った。愛らしいと思った。そばにかけてやって、抱きしめてやりたいと、そう思った。その時にプロデューサーは春香に近づき抱きしめていた。違うのよ抱きしめるのは私なのよ。すると私はつい大きな声で叫んでいた「泣くんじゃない」と。あれはいわゆる嫉妬という感情からくるものだったのかもしれない。しかし、あれはあれで私の本心である。あの女社長の罵詈雑言に少々頭にきていたのは事実、春香に若さへの醜い嫉妬を吐き出すあの女なんかに泣かされている春香に苛立ってしまっていたのも事実だ。しかし、あの言葉に一縷の不純なものが混じっていなかったのか言われると、それは否定しかねてしまう。そんな感じであろうか。
「春香・・・」
 名前をつぶやくと胸が苦しくなる。けれども私はこの感情が恋愛やその類のものでないということは知っている。春香、やよい、プロデューサー、いつもの三人がいて、小鳥さん、社長、他のアイドル候補生たち。なにか、あそこが私の居場所なのだ。内気な私にいつも笑顔で声をかけてくれる。本気で喧嘩もしてくれる。

 なんで?人って他人には無関心なのでしょう?少なくとも私はそうだ。そうでしょう、弟があんな目にあった時も、その日からのあんなギスギスした家庭環境の中にいた時も、誰も何もしてくれなかったじゃない!みんなよその家庭のことはよそのことって、私にもありきたりなことしか言ってくれなかったじゃない!結局は自分の身内さえよければ何でもいいんでしょう!そうなんでしょ!!
「違うよ!千早ちゃん!!!」
 突然春香の怒った声、怒った顔が頭に浮かんでくる。私は雷撃に打たれたような衝撃を感じた。こんなところにまで、私のこんな深いところにまで春香がいてしまっているのね。
「春香・・・怖いわよ」
 けど、なんだろう、とても優しいものが心を暖めてくれる。春香・・・!

 私は泣いていた。駄目だなあ。こんな日は、やっぱり何かに熱中して、色々忘れられる日々のほうが私にはいい。こんな暇を持て余すような日は余計なことを考えてしまう。

 プルルルルル、プルルルルル

 一瞬ビクっとする。電話だ。
 私は起き上がり、電話のナンバーディスプレイを眺める。春香だ。
「春香?」
「ああ、千早ちゃん。ベランダでて、ベランダ!」
「な~に?なにかあるの?」
 私は言われるがままにベランダの網戸を開け外に出てみる。いつの間にか雨は止んでいて、雲の切れ間から光が差している。
「虹だよ。虹!」
 その光が地面に会うところから、光の直線が接戦になるような虹がかかっていた。驚くことに虹は二重になっていた。
「これは・・・ダブルレインボーじゃないの。」
「へえ、『ダブルレインボー』っていうの。千早ちゃんってやっぱり物知りだね。千早ちゃんのところでも見えてるんだなあ。」
「春香?」
「あ、ううん。あのね千早ちゃんのところでも見えてるって、なんか、違う場所にいるのに同じものが見えるってなんか不思議な気持ちがするなあって、空はつながってるんだなって、なんちゃって、アハハ・・・」
「春香・・・」
「千早ちゃん?」
「ん?」
「もしかして千早ちゃん、泣いてた?」
「!」
 私はとっさに息を吸い込んでしまう。私の息遣いは完全に向こうに聞こえてしまった。
「あぁ、いや・・・なんか声が湿ってるような気がして。」
「ああ」
「どうかしたの?」
「ただ・・・少し悲しいドラマを見ていただけよ。」
「え~、千早ちゃんを感動させるドラマって!何何?教えて!」
「ちょっと、春香。その言葉色々な意味にとらえられるんだけど?」
「ああ、うぅ、ごめんね千早ちゃん別に他意はないよ。で、何なの?教えて~!」
 いつものくだらない会話。けど、くだらないけど、今の私は、カラカラの土に水をあげた花のように生き生きしているような気がする。私はひとりじゃない。
「ふふ、嫌よ。もう教えないわ。」
「え~千早ちゃんのケチ~」
「決して結ばれることはない、けれどもとても暖かくて、けれどもとても悲しいドラマよ。」





_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
 あとがき
大学から点数がヤバいので救済レポート課す旨の電話がありました(^^;;)
台風が着ていたので時事ネタ(?)としてひとつ書いてみましたw駄文失礼しました。

ある日の風景 2010/08/08

Pixivでの私の作品の転載です
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22381

 今日は春香と、千早と一緒にやよいの晩ご飯になる野草の採集に付き合った。
 今日も昼間はクラーが必須の蒸し暑い一日ではあったのだが、夕方の川原は心地いい体感温度である。昼間の間に、河川管理の職員が川原の草を刈ったらしく、当たりは草の青い匂いでいっぱい。何かとても懐かしい匂いを俺は深呼吸して肺の中に充満させた。そういや、ガキの頃はそこら中に悪ガキどもとつるんで秘密基地やら作って遊んだなあ。バッタ捕まえにわざわざ蚊に刺されに草むらにわけいったこともあったっけな。あん時の匂いだなぁ。そん時つるんでいた悪ガキの顔はもう覚えていないが、この草の匂いをかぐとどうしてもバッタやカマキリを思い出してしまう。で、そん時から俺は本当の意味ではあまり成長していないのかもしれない。成長というよりも人間の本質的なものはあまり変化していないように感じる。あの頃は秘密基地をどんどん拡大していって、将来的には国レベルまで大きくできると本当に信じていた。そんな突拍子も無い夢を考えつくのはガキの頃迄と思いきや、今は無名の女の子たちをトップアイドルに導くなんてのを仕事にしている。我ながら少し笑えてしまう。けど、ガキの頃と決定的に違うのは、あの頃の俺には別に世界征服が成功しなくても誰も悲しまなかった、しかし、今の俺の夢には三人の女の子の、大げさに言えば、将来がかかっている。あの頃の俺達の夢は、実現させるための手段が手元に無く、それこそ「夢」の文字がそのまま型にハマるようなものだった、しかし、今の俺は違う。成功するかはわからないものの、この娘たちをトップアイドルへ導くための手段はある程度心得ているつもりだ。もちろん定石だけではだめであろう。しかし、あの頃の俺には全くなかった「手段」が少なからず今の俺の手元には存在している。
 俺は夕日に照らされて真っ赤になった自分の右手をじっと眺めた。握り締め、またひらく、再び握り締め、またひらく。こうしていると、なにか自分の手なのに、別の生き物のように見えてくるから面白い、いや、いきものというよりは精巧な機械といったところだろうか。俺はこの手で今まで何をしてきたのだろうか。虫を外の広々とした世界から、窮屈な虫かごへ放り込むという残酷な行為、そして、そのまま忘れていて夏休みの中盤に気づいてみてみれば、そこはバッタの死体の山だった。親に怒られ、泣きながらバッタを土に埋めたのもこの手だった。初恋の女の子に当てた恋文をしたためたのもこの手だ。頭に来て友人をおもいっきり殴ったのもこの手だ。
 俺のこの手が、この手は、今まで周りの物にコンタクトを取る、いわゆる言葉や表情などとは独立したひとつの出力機関なのだ。
「プロデューサーさん!なんでひとりだけさぼってるのかなぁって。」
「プロデューサー!こっちはこんなに蚊に刺されながらもやってるっていうのに!」
「やよいちゃ~ん!ちはやちゃ~ん!ギシギシって食べれるんだよね?ほ~ら!たくさん採ってきたよってあわぁっ!」
どんがらがっしゃーん。
「春香、この時期のギシギシは花が咲いてるのが多いから芯がたってて食べられないんだぞ。」
「プロデューサー?」
「うぅ、今まで何してたんですかプロデューサー。働かざるもの食うべからずです!」
「あは。私ってほんとドジで役立たずで・・・もう穴を埋めて掘ってますぅ!!」
「おい、春香それ逆!」
てな感じで、俺は野草探しを始めた。俺にも多少の野草に関する知識はあるものの、正直いって野草は夏に楽しむものではないことぐらい知っていた。やよいは夏の硬い野草を食わないといけないところまで貧窮してるのか!
 ふと、周りを見渡す。周りには俺と春香しかいない。春香は何を採ればいいのか悩んでいるらしい、それは俺も同じである。しかし、今そんなことはどうでもいい、千早は!やよいは!俺の脳裏に水難事故の新聞記事が浮かぶ。
「千早!やよい!」
「なんですか、プロデューサー。大きな声ださくても聞こえます。」
千早とやよいは川岸の方からゆっくり歩いてくる。やよいはやよいには少し大きそうなバケツを大切そうに抱えていた。
「やよい、何だそのバケツは。」
「うっうー!今日の晩ご飯です!」
見るとそこには大量のヤドカリがいた。ヤドカリの山の中にはペットボトルの中に数匹の魚もいた。
「高槻さんが昨日仕掛けておいた仕掛けの中の魚と、岩場にたくさんいるヤドカリ捕まえに行きましょうっていうから。」
「あ・・・あぁそうか、いや、無事ならいいんだ。すまんな。けどよ、やよい、じゃあ、野草は何のために採っているんだ?」
「ヨモギやキク科の植物の葉っぱなら何でもいいかなぁって、練って乾燥させて蚊取り線香にします。」
「えぇ!やよいちゃん、私てっきり食べるためにと思って、セリたくさん採ってきたんだけど・・・」
「うぅ、春香さん、それドクゼリも混じってますぅ。前にも教えたようなきがしますが、私の一家を食中毒にするつもりですか?」
「あぅ、ごめんなさいやよい。」
「謝ることはないです。春香さんはドジでおっちょこちょいだけど、優しいですぅ。」
「うう、ほめられてるのかけなされてるのかわからない・・・」

 川原での食料探しが終わったあと、俺たち一行は高槻家にお邪魔することになった。
 高槻家への家路の途中、川原にまだ刈られていない大きい背丈の草むらに遭遇した。
「やよいちゃん、もしかしてここ突っ切っちゃうの?」
「え?そうですけどなにか?」
「高槻さん、一応私たちはアイドルなのよ。草で顔でもきっちゃたら大変だわ。」
「ふふふ、大丈夫だ、俺が先頭で草をかきわける。だからお前らは俺についてこい。」
俺は勢い良く草むらに飛び込んだ。





そうだ。俺は草をかき分けながら思った。
そうだ、あのガキの頃の残酷な行為も、結果的に悲劇に終わった俺の初恋の一幕も、友人を傷つけてしまった原因も、全てこの手だ。そして、その手の所有者の中身は根本的には変わっちゃいねえ。
けれども、今の俺は芸能界という草むらかをかき分けかき分け彼女たちの歩ける道を作ってやる責任がある。皮膚を破く草から彼女たちを守ってやることができる。俺は、俺のこの手は、彼女たちを守ることができるのだ!

俺の目の前が急に開けた。




「うぅ、抜けたですぅ。」
「!!プロデューサー!大丈夫ですか、てから血が出てます。」
「ええ!プロデューサーさんが怪我してる怪我してる。ああ、え~、あ!プロデューサーさん!ヨモギですよヨモギ!」
「ありがとう春香。けどこのぐらいの傷なんて、すぐにふさがるさ。大丈夫だ。」
真っ赤に燃える夕日がまさに沈もうとしていた。

 その夜は本当に楽しいものだった。父親と母親はとても優しそうな人だったし、私たちを歓迎してくれた。手製の味噌を使った味噌汁は、市販品の味噌が味気ないものに感じてしまうほどの衝撃的な味であった。自家製蚊取り線香の匂い、いつまでも続く、やよい家の兄弟のはしゃぎ声、春香たちの談笑。やよい家に静寂が訪れたのは10時過ぎのことであった。
 俺は、醤油とマーガリンで炒められたヤドカリを肴にして、自販機で買ってきたビールを開けていた。
 俺はふと自分の手を眺めてみる。いくつもの小さなカスリ傷が残っていた。それを見て、なぜか妙に誇らしい気分になった。
「フフッ、明日もまた頑張らないとなぁ。」


つづくかも
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
あとがき
 特に無い
プロフィール

Naka210

Author:Naka210
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR