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良い子のための情報リテラシー 001

百合物でも書こうと思った

 

なんとも言えないかったるい日々、こういう時にはなにか新しいことをするに限る。

雪子は暖かさと昼食をとった直後ということもある程よい満腹感からくる夢ごこちのような、緩んだ意識の中でそう思った。

特にやることもなし、友人もなし。

 

雪子は外見はそこまで奇抜なものではないと自分では意識していた。

むしろ、器量に関して言えば、自身のそれは平均のそれより多少上であるように思っていた。

しかし、いわゆる世間一般で言う彼女のコミニュケーション能力に関しては、それはもう絶望的なもので、

4月、入学式を終えた教室で、周りの女生徒たちが、緊張しながらも、しかし打ち解け

ぎこちないながらも談笑するさまを横目で眺めながら、しかし、自分から話しかけようとも思わなかったようだ。

次第に新入生の中でも友人関係が次第に形成され、外でツンとしていた彼女にも話題が回ること数回、

しかし、彼女は当然、それ以降話しをふくらませることもできることなく、次第にクラスの友人の輪は彼女を避けるようになっていた。

 

特別、プライドが高いわけでもない、いじめが起きるような年齢でもないし、事実いじめは受けていない。

しかし、彼女の絶望的なコミニュケーションスキルの欠如は、彼女の比較的淡麗な容姿、性格のまるさ、すべてを無にしてしまうほどのものであった。

 

そういうことで、彼女は一人になっていた。

昼食は陽のあたる中庭で一人でお弁当を食べることが習慣になっていた。

日陰を好むわけでもない、学食で食べることが苦になるわけでもない、コミニュケーション能力の絶望的な欠如は

彼女を一人で行動することへの、周りの視線に対する耐性というべきであろうか、気にしない、悪い方向への進化というか強さを授けてくれた。

彼女は新聞やネットなどで便所飯の存在は知ってはいたし、彼らの感情というものには一定の理解は示せてはいたが、

しかし、彼女自身は自身が彼らたちとは少し質の違う孤独に対する考えを持っているということを知っていた。

何も一人を気にすることはないのである。

むしろ彼らたちに対しては、世間に対して「孤独な人間は、自身が孤独であることをネガティブな意識を持って周りの視線を気にしているのだ」といった

彼女にとっては少々不愉快な論調を裏付けしてしまうような流れを作っていることに対して不満を覚えていた。

 

彼女は自身がいくら努力した所で彼女を取り巻く環境を変えることは非常に困難であることを知っていた。

世の中は常にそうである。別に哲学やら何やらを語りたいというわけではない。

ヒトは何かをやりたい、例えば山に登って美しい景色を見たいと思えば重力に逆らって山を登らなければならない。

自分がなにか望むことを環境に働きかけて実現しようとするには、それなりのエネルギーが必要なのだ。

 

彼女は自分以外の人間が、殊にコミニュケーションに関して彼女よりも巧くやってのけるのは

彼女のかけるエネルギーよりも大きいエネルギー、労力をかけているからではなく、

化学で言うなら触媒、いわゆるテクニックといえば分かりが良いであろうか

使い方が上手いのだ、彼女がうまく行かないのは使い方が下手なのだ

 

まあ、下手ならば下手で経験を積めばうまくなっていくものなのだろうが

先程も書いたように、彼女自身はコミニュケーションスキルの欠如による孤独を問題視していない。

そこに全ての元凶があるのだ。

つまりは彼女は現状に不満を感じていない、故に現状を変えようとも思っていない、経験をつまない。進歩しない。

 

文学的な言葉で言えばニヒリズムというものか、すべてを諦めてしまって、

悟りを擬似的に体験しているというものか

そもそも悟りというものは諦めと同義の言葉なのかどうかといった議論はさておき

同義かどうかの話をする前に、そもそも悟りという言葉だけでは広義的な意味をも含むので言葉の意味の輪郭がぼやけて

すなわち幾通りもの解釈を可能にしているだけの言葉遊びだけではないのかといったことを言いたいのではない。

 

人生に保守的になってしまえば変化を怖がる。

しかし、変化がなければヒトは暇だ。

暇と恐怖を天秤にかけて暇が勝った時ヒトは変化を求める。

ちょうど彼女はその状態になっているのだ。

 

 

ある程度、人間関係が固まってしまった今、彼女が求めた所で環境に働きかけて変化を起こすのには

使い方の下手なエネルギーを使うのは無駄というものだ。

使い方が下手なのであれば、使う場所を吟味すれば良い。

 

ある日突然天秤が暇に傾くわけではない、前々から彼女は自分がエネルギーを持って変化を起こしやすい場所に目星はつけていた。

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